タイヤ交換(履き替え)を自分で安全に行う

自動車管理

雪の降る地域では、冬になる前・春になったら タイヤの交換(はきかえ)を行います。

信頼できるショップへお願いすれば安心でラクに出来ますが料金の支払いが発生します。

高額でなくとも毎年支払うのは避けたいですよね。

タイヤ履き替えは体力を必要としますが、毎年していれば上達できる作業と言えます。

タイヤ交換には 2種類の作業がある❓

以前 私は自動車整備士をしており、お客様から「タイヤ交換をお願いします」とよく言われました。

しかし 整備をする側からすると「組み換え?履き替え?」と思います。

なぜかと申しますとタイヤ交換には・・・

「ホイール付き冬用タイヤ」から「ホイール付き夏用タイヤ」への交換は、履き替え(はきかえ)と言います。

すりへったりしてタイヤだけを新品に変える交換は、組み換え(くみかえ)と言います。

従って 作業する側からするとタイヤ交換とは新品タイヤに変える事をイメージします。

今回は 履き替え作業について解説していきます。

準備するものは?

タイヤ履き替えを行うには以下の道具が必要になります

①ガレージジャッキ(車両を持ち上げる役目)

②ジャッキスタンド(持ち上げた車両を支える役目)

③輪留め(車両が動き出さないようにする役目)

④タイヤレンチ(ネジを回す役目)

⑤作業用グローブ(軍手でもok)

自動車に付いている工具も使用できますが、作業効率が良くないのでおすすめしません。

この先 免許を返納するまで毎年作業は続くので、購入をお勧めします。

ガレージジャッキ及びジャッキスタンドについては別途説明します。

タイヤ履き替えの手順

事前確認 

冬用と夏用のホイールで種類の違うナットを使用する場合がありますので自分の場合は同じナットなのか?又は違うナットを使用するか確認しておきます。

手順① 作業場所は平らで地面が硬い所に

車両の半分を持ち上げますので、舗装された場所がおすすめです。

砂利や柔らかい土での作業はやめましょう。

場所の決定後、作業しないタイヤ(後輪側)に輪留めをして車が動かないようにします。

手順② ホイールナットをゆるめる

まずナットをゆるめる前に今までどの位の力で締まっていたのか確認してみましょう。

確認方法はタイヤレンチでナットを締め付けてみて感じて下さい。

手で締め付けてみると、恐らくナットは締まらないと思います。

タイヤを上げてからナットをタイヤレンチでゆるめようとしても、タイヤも一緒に回ってしまいナットがゆるみませんので、「グラつかない程度ゆるめるだけ(約1回転)」で止めておきます。

ナットはネジ構造になっていますのでレンチで「反時計回り」でゆるめることができます。

後輪側の事も考えてゆるめるナットは4輪行いましょう。

車種によってはホイールキャップでナットが見えない場合があります、その場合はホイールキャップの外周よりホイールとのスキ間にマイナスドライバーなどを押入れてコジリながら手前に引っ張ります。簡単に外れないように強めにはまっていますので結構 ”ちから” が必要です。

手順③ ガレージジャッキで車を持ち上げる1回目(ジャッキアップ)

ガレージジャッキを使用して前輪を同時に2つ持ち上げます。

ガレージジャッキの設置ポイントは右タイヤと左タイヤの中間地点になりますが、

車種によって設置ポイントが違います。

自動車の取扱説明書に「ジャッキポイント場所」が記載してありますので参考にして下さい。

持ち上げる高さはタイヤが地面から5cm離れるくらいで大丈夫です。

またガレージジャッキで車を上げ続けますが安全性を高めるために、ジャッキスタンドも利用して持ち上げた車が急に下がらないように支えます。

ジャッキスタンドの設置場所も取扱説明書を参考にして下さい。

スタンドを当てる場所(ジャッキポイントと言う)が分からない場合は、行きつけの整備工場で教えてもらいましょう。

自動車の重量はおよそ1トン以上あり、その前輪部分を持ち上げますのでジャッキ 及び スタンドの取扱いを誤ると大けがにつながりますので注意して下さい。

一度に2個タイヤが上がりますので、この上げ方が時間短縮につながります。

手順④ タイヤを外す・取付け

タイヤを外す前に、履き替えするタイヤを近くに置いておきます。

タイヤレンチを使用してナット(ネジ)をゆるめます。

ナットの種類によっては取付け向きがあり、外す前に向きを確認しておきます。

ナットは4個又は5個ありますが最後の1個をゆるめると、バランスが崩れてタイヤがグラっときますので、手 又は 足先でタイヤを抑えておくと安心です。

タイヤ重量は10kg前後と重いです、取り外すときはタイヤを水平に持ちながらネジ山を痛めないように引き抜きます。

履き替えのタイヤを持ち上げる前に「自動車側のネジ(ボルト)位置」と「ホイール側の穴位置」を同じになるよう調整します。(取付けやすくする為) 

合わせてホイール側の取付面にゴミが付いていない事も確認して下さい。

タイヤが重い為 5秒で取付ける気持ちで持ち上げましょう。

そうしないと体力の消耗や、ネジ山を痛める事になります。

ホイールが車両側取付面にピタッと付いたらタイヤを抑えながらナット1つを「手で」締めきってください。

1つでも締めてあればホイールがグラつく事がありませんので、残りのナットは安心して取付けられます。

タイヤレンチで仮締めを行い、続いて反対側のタイヤも同じ作業をします。

持ち上げたタイヤ2つの取り換えが済んだら車を降ろします。

手順⑤ 車を下げる(ジャッキダウン)

ガレージジャッキで車を少し持ち上げジャッキスタンドを外します。

ガレージジャッキを操作して「慎重にゆっくり」車を下げます。

ガレージジャッキを後輪側に移動させます。

手順⑥ ホイールナットを締める

ナットをタイヤレンチを使い締めます。(手の力で締め付ける、足では締めない事)

4つ(又は5つ)のナットは均等に締める為に締め付ける順番が決まっています。

となりのナットを続けて締めるのではなく、対角線上にしめていきましょう。

ナットを締め付ける強さはクルマにより多少差はありますが、

私のミニバンでは103N・m(1050kgf・㎝)となっていました。

ナットをゆるめる前に確認したしまり具合に締め付けます。

締め付け力が分かる機能が付いた「トルクレンチ」も販売されてます。

このレンチを購入する事も1つの方法ですが、行きつけのショップで確認してもらい締め付け具合を体感で身に付ける事でも大丈夫と思います。

私が整備士の頃は「トルクレンチ」を使う事は無く、1人が締めてから

別の整備士が確認の為 もう1度締める行動をしていました。(ダブルチェック)

現在も自分は、4輪交換後に2回目のネジ締め(増し締めと言う)作業を行うやり方です。

手順⑦ ガレージジャッキで車を持ち上げる2回目(ジャッキアップ)

輪留めを前輪タイヤに付け替え変えます。

ガレージジャッキを使用して後輪を同時に2つ持ち上げます。

ジャッキポイント及びジャッキスタンドの設置位置は車の取扱説明書で確認出来ます。

持ち上げる高さはタイヤが地面から5cm離れるくらいで大丈夫です。

またガレージジャッキだけで車を上げ続けるのは危険ですので、ジャッキスタンドも利用して持ち上げた車が急に下がらないように支えます。

前輪時と同様でジャッキ 及び スタンドの取扱いを誤ると大けがとなりますので注意して下さい。

手順⑧ タイヤを外す・取付け

前輪時と同様に手順④を参考に作業をします。

手順⑨ 車を下げる(ジャッキダウン)

前輪時と同様に手順⑤を参考に作業をします

手順⑩ ホイールナットを締める      

前輪と同様に手順⑥を参考に作業をします。

念の為に もう一度4輪のナットの締め付け具合を確認して、安心の再確認をします。

高速道路が身近になりハイスピード時代です、スピードが上がる分ちょっとした不手際でも事故につながります。

タイヤはシンプルな構造ですが、道路と車をつなぐ重要なパーツです。

タイヤ履き替え後にする事

タイヤ履き替えが終わったら、ゆっくり走行してみましょう。

もし取付け不良があると、ハンドルに振動が起こります。

異常なければ、次に空気圧を確認します。

空気圧の調整は近くのガソリンスタンドで確認しましょう。

空気圧はパンクしていなくても、少しづづ下がってしまいます。

低すぎて起こる現象としては

燃費が悪くなる

タイヤの摩耗が均一でなくなる

ハンドリングが悪くなる・ふらつき など

セルフサービスで無料で貸してくれるスタンドも多くなりましたので自分で行う事も出来ます。

適正空気圧は取説又は車の運転席ドアを開けると見える位置に貼ってありますので確認出来ます。

空気圧高すぎも乗り心地が悪くなる要因になりますので適正範囲内で調整しましょう。

空気圧調整前は控えめ運転でスタンドへ行きましょう。

タイヤ履き替えでの注意点

見逃しがちな事は、作業に適した服装で行いましょう。

ハーフパンツ に サンダルではケガの原因になります 又 車の下にもぐり込む事もやめましょう。

あとタイヤには回転方向が指定されているものがありますので、ご自分のタイヤを確認して下さい。

タイヤ側面に回転方向を示す矢印『←』マークが付いています。

前進回転方向に『←』となるようにします。

履き替えたタイヤは直射日光が当たらないようにカバーを掛けて保管しましょう。

タイヤゴムは紫外線で傷みやすくなります。

まとめ

履き替え作業は重労働で危険・・・とハードルが高く感じるかもしれませんが、

自動車に付いている工具では車の上げ下げを4回しますが、新たに工具を買う事により2回の上げ下げですみ時間短縮と疲れも削減出来ます。

電動工具があれば疲れも更に削減となり、効率UPします。

工具を揃えると結構な金額になり思いとどまる事もあります、私もそうでしたので理解できます。

しかし 

今後「①ショップなどに頼み続ける金額」

「②工具を買い揃える金額」はどちらが高いでしょうか?

答えは 今後を含めると ①ショップに頼み続ける金額です。

まとめて買うと痛い出費ですが、2~3年で揃える買い方ならば実現可能ではないですか?

私はまず ガレージジャッキとジャッキスタンドを購入しました。

翌年に電動インパクトレンチ(ネジ回し)、電動空気入れを買いました。

履き替えたい時に出来ますので、順番待ちもありません。

手順を覚える事で車の知識も身に付き 又 出費を抑える事も出来ます

重いタイヤを持ちたくなくても ショップに持ち込む場合、自分でタイヤの積み下ろしはしなければなりません。

将来 車が増えた時、更に大きな節約効果となります。

運動不足解消と思ってやってみませんか? 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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